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残余利益分割法に内在する法的問題点 : 東京高裁令和4年3月10日判決を素材に

寺田, 暁央, Issued : 2025.03.30, 青山ビジネスロー・レビュー <TF02036295>
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書誌詳細

コレクションコード 紀要論文
コレクションコード 青山ビジネスロー・レビュー
コレクションコード 14
ソースレコードID AA12658044
タイトル 残余利益分割法に内在する法的問題点 : 東京高裁令和4年3月10日判決を素材に
ザンヨ リエキ ブンカツホウ ニ ナイザイ スル ホウテキ モンダイテン : トウキョウ コウサイ レイワ 4ネン 3ガツ 10カ ハンケツ オ ソザイ ニ
タイトル(その他) Legal Problems Included in “Residual Profit Split Method" : Based on the Tokyo High Court's Judgement on March 10, 2022
作成者 寺田, 暁央
テラダ, アキヒサ
Terada, Akihisa
出版者 青山学院大学大学院法学研究科ビジネスロー・センター
出版者 アオヤマ ガクイン ダイガク ダイガクイン ホウガク ケンキュウカ ビジネス ロー センター
NCID AA12658044
ISSN(プリント) 21878668
DOI URL https://doi.org/10.34321/TF02036295
収録物名 青山ビジネスロー・レビュー
収録物名 アオヤマ ビジネス ロー レビュー
収録物名 Aoyama business law review
巻次等 14
2
開始ページ 1
終了ページ 29
日付 Issued : 2025.03.30
内容記述 移転価格税制は,多国籍企業グループ間の取引価格について,非関連者間取引であれば採用されたであろう取引価格,すなわち独立企業価格にて行われたものとみなして所得計算を行う制度である。我が国では昭和61年度税制改正において導入された制度であり,移転価格税制が争点となった事案では,更正金額が数100億円となることもあり,納税者及び国双方が注目する制度である。本稿でとりあげる残余利益分割法は,1988年アメリカ移転価格白書にて提唱された独立企業間価格算定方法であり,我が国では平成12年度措置法通達において導入され,平成23年度税制改正において法令に定められた。残余利益分割法は,(1)独自の機能を果たさない非関連者間取引において得られる「基本的利益」の算定と(2)分割対象利益から基本的利益を控除した残額である「残余利益等」を国外関連取引の当事者が寄与した程度に応じて分割する2段階の計算方法により独立企業間価格を算定する方法である。残余利益分割法は,独立企業間価格の算定にあたり,比較対象取引を見つける必要がなく,また残余利益等を法人及び国外関連者の寄与した程度により分割することから,無形資産取引に関して適用される可能性が高いと考えられる。残余利益分割法が争われた過去の裁判例等は,独立企業間価格算定方法の内,残余利益分割法を採用するか若しくはその他の算定方法を採用するかという点が主に争われており,残余利益分割法自体の適用における法解釈等が争われる事案は少なかった。本件は,納税者及び国双方が残余利益分割法を採用することについては争っておらず,残余利益分割法の算定方法について争っており,裁判所も残余利益分割法の算定方法に一定の解釈基準を示している。一方で,本件の検討を行った結果,(1)基本的利益算定のための検証対象法人に求める適格性要件,(2)残余利益等分割における分割要因,(3)残余利益等分割における分割指標,(4)OECD移転価格ガイドラインの法源性,等の残余利益分割法に内在する法的問題点が顕在化した。上記問題点を検討する上では,我が国法令の検討はもちろんOECDにおける議論や各国移転価格税制の検討,特にアメリカ移転価格税制の検討が必要であると考える。我が国の移転価格税制はこれまで司法判断があまり行われておらず,移転価格税制の執行は国税庁発遣の通達や事務運営指針等の法令以外を根拠として行われていることが多い。一方で,租税法律主義との関係では通達等を根拠とした解釈適用は望ましくなく,一定の基準の下で法解釈が行われるべきである。残余利益分割法は,他の独立企業間価格と比べて2段階で計算を行うことから,より明瞭な適用基準の基で適用されるべきであり,本稿にて指摘した残余利益分割法の法的問題点は今後の研究課題とする。
資源タイプ departmental bulletin paper
資料種別(NIIタイプ) 紀要論文
物理的形態 PDFファイル
アクセス権 open access